GameReport <観戦記>

2011年10月9日(日)追手門学院大学戦 @EXPO FLASH FIELD

今秋初めてEXPO FLASH FIELDにて開催されたTRIDENTSの第三戦・追手門学院大学戦。近畿大学への挑戦権を賭けた全勝校同士の対戦は、最後の最後までもつれる劇的な展開の試合となった。

【第1Q】

阪大のKick Offで試合開始。そのKick Offでリターン側の追大はリバースプレーを仕掛けてくるものの逆に阪大#14久保が判断よく反応、敵陣10yds付近でタックルするという素晴らしいカバーをみせた。

和大戦

相手陣深くからの最初の阪大Defense。完封で終えた前節の勢いそのままに、今日は立ち上がりから集まりも良く集中しているように見えた。追大Offenceはインサイド・アウトサイドと散らせながらランプレーで攻めてくるも、阪大DefenseはDL#96田中#93仲下の二人を中心にしたDL陣がインサイドを支配し結局1stシリーズを3本で仕留めることに成功。
ところが追大の好Puntによって阪大は大きくフィールドポジションを挽回された。


自陣15ydsからの阪大最初のOffenceシリーズ。阪大Offenceは主将RB#7森山遼や#36安部のラン、QB#9谷村からWR#84柴田#2野嶋へのショートパスを軸に、さらにここまであまりなかったQB#9谷村のランなども織り交ぜテンポよく数回フレッシュを獲得する。そしてフィールド中央まで進出したのち、RB#23服部が左のゾーンプレーからフィールドを鋭く切れあがり20ydsほどゲイン!!一気にゴール前まで攻め込む。

和大戦

流れを掴んで先取点につなげたいこのシーン。しかしここで阪大Offenceは立て続けにフォルススタートの反則を犯すという自らのミスでTDまで持ち込めず、結局K#94荒子のFGによる3点の先制にとどまった。先制はしたものの、ライン戦では圧倒しているように見えたこともあり非常にもったいなく感じた1stシリーズであった。

≪阪大 3−0 追手大≫

一方の阪大Defense。今日は攻守両面で出場の主将LB#7森山遼のロスタックル、今秋ここまで守備の大黒柱となっているDB#1重良のナイスタックルによってまたも1st Downの更新を阻止、Puntに追い込む。

【第2Q】

和大戦

もたついた1stシリーズの嫌な流れを断ち切りたい阪大Offence。ところが迎えた最初のプレー。オプションプレーで追大DLにLOSを大きく割り込まれてプレッシャーを受けたRBがQBからのトスをキャッチできずファンブル。追大に攻撃権を奪われる。

自陣10ydsという厳しいフィールドポジションからの阪大Defense。
しかし今日はやはり集中していた。オフサイドの反則を犯し追大に前進を許すもののここから全員が一丸となってゴール前で粘りを見せTDを阻止。最後はLB#7森山遼の鬼気迫るタックルで3rd Downの攻撃をストップ。この位置からのDefenseをFGの3点に抑える。

≪阪大 3-3 追手大≫

一方なんとか流れを変えたい阪大Offenceは、ここで意地のビッグプレーをみせる。自陣45ydsからのシリーズ。その1stプレー、今日Defenseで大活躍の主将#7森山遼が今度はRBとして左のパワープレーでハンドオフを受けてそのままフィールド中央を55ydsの独走TD!!

≪阪大 10−3 追手大≫

しかし今日のOffenceはこのプレーの流れを次につなげられない。続く追大の攻撃を阪大DefenseがなんとかPuntに持ち込んだ直後。自陣25ydsからの2nd Downで阪大Offenceはパスプレーを選択。しかしQB#9谷村がWR#94荒子めがけて投げたパスは追大DBの手に収まる。インターセプト。

先ほどのターンオーバーの時には我慢強かった阪大Defenseだがこのシリーズは4th Downでギャンブルを成功されさらにゴール前に進まれる。結局このシリーズ2度目の4th DownギャンブルのパスプレーでTDを許す。

和大戦

さらに続くTFPも2点コンバージョンをパスで決められ逆転される。

≪阪大 10-11 追手大≫

このあとのKick OffでReturner#1重良がビッグリターンをみせ敵陣20ydsから攻撃権を得るが阪大はパスを一つ通したところでタイムオーバー。もったいない形で前半は終了する。

≪前半終了 阪大 10-11 追手大≫

【第3Q】

和大戦

後半は阪大Offenceでスタート。第3Qは開始から両チームともランプレーを軸にして固い試合運びをみせる。
それぞれ一度ずつPuntを蹴りあい、迎えた阪大Offence。ランプレーで前進しながら一度4th Downギャンブルも成功させ、敵陣内深くまで侵入。ゴール前5ydsまで攻め込むがここで決め手を欠き結局FGに。しかしここで阪大は決めれば逆転のFGを外し、攻守交替。続く阪大Defenseはしっかり3本で追大Offenceを止め、Puntに。



和大戦

そして3Q残り1分少々で迎えたフィールド中央付近からのOffence最初のプレー。QB#9谷村がWR#2野嶋に投じたパスはなんと再び追大DBにインターセプトされる。さらにそのまま30ydsリターンされて阪大は自陣10ydsからのDefenseを強いられる。そしてまたも阪大Defenseは粘りをみせることができず1プレーでTDを奪われる。
しかし続くTFPのKickではDL#93仲下がインサイドを割り込みバレーボール仕込みのジャンプとハンズアップでFGをブロック!!追大のさらなる追加点を阻み、ビハインドを7点にとどめるビッグプレーをみせた。

≪阪大 10-17 追手大≫

【第4Q】

和大戦

7点差で迎えた最終Q。阪大Offenceはパスも交えてプレーを展開しようとするが結局1st Downを獲得することはできずにPuntを蹴る。これをP#83岩橋の好パントで敵陣10yds付近まで挽回し、Defenseに繋ぐ。ここでもDefenseは危なげなく3本で止め、ボールは再び阪大に。自陣40ydsからの阪大のOffenceシリーズ。
しかしここでまた信じられないことが起こる。2プレー目にQB#9谷村が投じたパスは三度追大DBの手に。この重要な場面でこの日3度目のインターセプトとなり攻撃権は追大に移る。

またも突然の出番となった阪大Defense。時間を消費するためにランプレーを中心に攻めてくる追大に対し一度はフレッシュを許すもののその後はしっかりと止め、Puntに追い込む。そしてこのPuntはミスキックになり阪大は自陣45ydsというフィールドポジションから攻撃権を得る。

和大戦


試合終了まで残り5:40。ここで阪大Offenceは3度インターセプトを喫したQB#9谷村を諦め3回生QB#18樫原にスイッチ。そしてRB#36安部・WR#2野嶋へのショートパスにRB#36安部のランプレーや相手の反則なども絡み、ゴール前8ydsまで前進、フレッシュを獲得する。
しかしここで1stDownのパスを失敗。さらに自らの反則、ランプレーでのロス、再度のパス失敗と前進できず、いよいよTRIDENTSは土俵際まで追い詰められる。



試合時間残り1:38。点差は7。ゴール前16yds。4thDown&Goal。

TDを取るか、負けるか。フットボールの醍醐味を凝縮したような場面。ここでTRIDENTSは躍動する。


和大戦

ショットガンフォーメーションからスナップを受けたQB#18樫原はゆったりとした足取りで3歩下がる。そしてフィールドの右奥に目を遣り、エンドゾーンへ疾走するWR#2野嶋を確認すると迷わず腕を振り切る。
高い弾道を描いたボールは、試合会場のすべての視線を集め、エンドゾーンでDBと競りながら跳び上がるWR#2野嶋の手にすっぽりと収まる。

TD!! 歓喜に沸き上がるサイドラインとスタンド。TRIDENTSはその後のTFPのKickも落ち着いて決め、ここでついに同点に追い付く。

≪阪大 17-17 追手大≫

和大戦

流れは止まらない。続くKick Offではオンサイドキックを警戒して前がかりになる追大を尻目にフィールド深くまでボールを蹴りこみ、そしてそれを全員でカバー。乱戦の中でなんと追大リターナーからファンブルフォース!!それをKick Off Coverのリーダーを務める#23服部が自らリカバー。残り1:22で敵陣25ydsという絶好のフィールドポジションで阪大は攻撃権を獲得することになる。

降って湧いたこの逆転の芽をQB#18樫原・RB#23服部のラン、#94荒子へのパス、さらに1回生RB#33鈴木のランプレーで繋ぎ、ゴール前4ydsでフレッシュを獲得。
続くランプレーでロスするものの、そこで最後のTime Outを取り、残り時間は2秒。ゴール前8yds。

和大戦

ここでTRIDENTSはFGを選択。ところが追大Defenseの激しいプレッシャーを浴びてK#83岩橋が蹴ったボールはなんと追大Defenseにブロックされ、Kickは失敗。「同点どまりか…」サイドラインとスタンドはため息をつく。
しかし、ここで追大にオフサイドの反則があったことが宣告され、TRIDENTSは再度FGのチャンスを得ることに。

そしてこの願ってもないチャンスに、今度こそK#83岩橋のKickは成功。残り時間0秒での勝ち越しとなり、得点と同時に試合終了。

≪試合終了 阪大 20-17 追手大≫

和大戦

TRIDENTSは第3戦も勝利を収めた。しかも最後は稀に見るドラマティックな展開での逆転勝利であった。

しかし冷静に試合を振り返ってみると、この試合をこれほどまでにもつれる展開にしたものは阪大のミス以外の何物でもない。結果として勝ったことはよかったにせよ、試合内容は杜撰というほかなかった。ミスも含めて、これが今のTRIDENTSの実力である。それをしっかり見つめ直してほしい。

試合後、ポジションや立場によって選手たちの見せる表情はさまざまであった。単純に喜んでいる者もいれば今後の戦いの苦しさを想い、浮かない表情の者もいた。その温度差が妙に印象的であった。

彼我の戦力を考えると、近畿大学はTRIDENTSが一つにまとまらないままで勝てるほど甘い相手ではない。この正念場に、4回生を中心に最高の準備をして、真にチーム一丸となって挑んでほしい。

<執筆 "お">